イタリアの格差社会(概要)

第350回例会(2009年7月23日)

演題:イタリアの格差社会

講師:石橋 典子 翻訳家

会場:東京文化会館


 7月23日(木)に第350回のイタリア研究会例会が行われました。講師はミラノ在住の翻訳家、石橋典子さん、演題名は「イタリアの格差社会」です。もともとイタリアはヨーロッパの中でも格差が著明な国といわれていますが、最近はその格差がますますひどくなっているといわれています。石橋さんは、永年のイタリア在住の経験に基づき、またさまざまなデータを示しながら、イタリアの格差についてお話をしてくださいました。また最近のイタリアにおける格差の拡大にベルルスコーニ政権が果たした役割が非常に大きいことも指摘されました。ドイツの社会科学者マックス・ウェーバーには「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」という名著があります。イタリアはもちろんカトリックの国であり、その意味で北ヨーロッパのような資本主義は発達しておらず、イタリアの資本主義はカトリック的資本主義である、という指摘には,なるほどと思わされました。(この報告は会員の中村正董さんによるまとめを参考にしています:橋都)