イタリア都市の諸相―中世シエナの都市計画(概要)

第352回例会(2009年9月17日木)

演題:イタリア都市の諸相―中世シエナの都市計画

講師:野口 昌夫氏(東京藝術大学美術学部建築科教授) 

会場:南青山会館2階会議室


 9月17日(木)にイタリア研究会第352回例会が開かれました。講師は野口昌夫氏(東京藝術大学美術学部建築科教授・工学博士)。演題名は「イタリア都市の諸相―中世シエナの都市計画」です。世界でももっとも美しい都市の一つであるシエナ.そして世界でもっとも美しい広場であるカンポ広場,その成り立ちと構造を野口先生は多数の美しいスライドと図面とで示してくださいました.3つの尾根がぶつかるところに成立したという地形的な制約を生かしながら,街が出来上がったところにシエナの街の美しさの原点があること,そして広場を劇的に見せるさまざまな仕掛けが存在することが,われわれにも良く理解できました。それに較べるといささか奇妙にも感じられる,未完に終わった大聖堂の改造計画についても,現場の写真と図面とを対照させながらのお話はきわめて興味深いものでした。時間の関係で質問の時間がなくなってしまいましたが,その後の懇親会には予想以上の人が集まり,時間も忘れてシエナのそしてイタリアの都市の美しさについての議論が続きました。野口先生,本当にありがとうございました。 (橋都)