マグダラのマリアとは何者か?(概要)

第356回例会

日時:2010年1月22日(金) 19:00-21:00

講師:岡田 温司 京都大学大学院人間・環境学研究科教授

演題:マグダラのマリアとは何者か?

会場:東京文化会館4階大会議室


マグダラのマリアという女性は、じつは福音書には1ヶ所しか登場しません。しかもその記載の内容が微妙に異なっており、初期キリスト教団における女性信者に対する教団内の葛藤が現れているというお話しから講演は始まりました。そして教皇グレゴリウスによって意図的に他の二人の女性と合体させられて、現在に続くマグダラのマリア像が成立したこと、そして反宗教改革運動において、彼女がヒロインになって行く様子を先生は、歴史的、社会学的に考察しながら、多くの画像によって示されました。先生の広範で深い学識によって支えられたお話しは聴衆に感動を与え、講演後にはさまざまな質問が続出しました。この質問はその後に開かれた懇親会の場にまで引き継がれ、夜遅くまで美術史談義が続きました。岡田先生どうもありがとうございました。 (橋都)