イタリア語の辞書と文法書の歴史:初期の著作を中心に(概要)

第361回例会

・日時:2010年6月30日(水)19:00-21:00

・場所:東京文化会館4階大会議室

・講師:長神 悟 東京大学文学部教授


 第361回イタリア研究会例会が行われました。講師は東京大学南欧文学科教授・長神悟先生、演題名は「イタリア語の辞書と文法書の歴史:初期の著作を中心に」でした。大変格調の高い、一般にはややなじみの薄い内容で心配しましたが、たいへん大勢の聴衆が集まりました。長神先生は、辞書の中では「クルスカ学会辞典」を、文法書の中ではアルベルティの「トスカーナ語文法」とベンボの「俗語談論」とを中心として、これらの作品の内容と意義とを分かりやすく話して下さいました。またなぜトスカーナ語が標準イタリア語としての地位を確立したかの理由について先生は、ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチオという3大作家が居たということの他に、トスカーナ語が語彙、文法の上で、ラテン語からの偏倚が少ないことを挙げられ、これには多くの方がなるほどと納得されたのではないでしょうか。

(橋都)