地獄の底のジャンニ・スキッキ(概要)

第362回例会

・日時:2010年7月27日(火)19:00~21:00

・講師:白崎容子氏(慶大文学部教授)

・演題:「地獄の底のジャンニ・スキッキ」

・場所:南青山会館2階会議室


「ジャンニ・スキッキ」はご存じのようにプッチーニ唯一の喜劇オペラです。そのお話の元はダンテの「神曲・地獄篇」にあるのですが、じつはその中で、ジャンニ・スキッキに触れられているのは,わずか数行に過ぎません。それを台本作家のフォルツァーノとプッチーニはいかに歌劇に仕立て上げたのか。そこにはダンテのほぼ同時代人の、ある注釈者による注解の存在と、台本作家の想像力との化学反応があるのです。白崎先生はオペラのDVD、「神曲」の多くの画家による挿画を駆使しながら、「神曲」の地獄の構造、そのどこにジャンニ・スキッキが居るのかまでを、くわしくまた楽しくお話ししてくださいました。オペラ「ジャンニ・スキッキ」と「神曲」に対して、新しく眼を開かれた聴衆も多かったのではないかと思います。白崎先生ありがとうございました。 (橋都