オペラの解釈と準備(概要)

第375回例会

・日時:2011年9月19日17:00~18:30

・場所:三笠会館5階(銀座5-5-17 TEL: 03-3571-8181)

・演題:オペラの解釈と準備

・講師:Dimitra THEODOSSIOU(ディミトラ・テオドッシュウ)

・通訳:高田 和文 静岡文化芸術大学教授 前ローマ日本文化会館館長


 今回の講師は、なんと現在来日中のボローニャ歌劇場のプリマドンナ、ソプラノのディミトラ・テオドッシュウさんです。演題は「オペラの解釈と準備」でした.講演に先立ち、この会の創始者のお一人である田辺健さんが名誉会員になられたとの報告があり,会員一同から盛大な拍手が送られました。さて講演は静岡文化芸術大学教授である高田和文先生の通訳で行われましたが、お二人の打ち合わせにより、最初のテオドッシュウさんのお話は短くして、主に聴衆からの質問に対する回答の形で行われました。ギリシャに生まれたテオドッシュウさんは,音楽好きの父親に初めてオペラ劇場に連れて行ってもらった6歳からオペラ歌手になりたいとの強い決意を持ち続けました.家庭の事情で音楽学校には行けませんでしたが、自分なりの訓練は続け、母親の母国であるドイツを訪問中に偶然、音楽教師と出会い、それから本格的な勉強を開始、デビューしたのは29歳の時でした。テオドッシュウさんはオペラ歌手になるには、才能も必要だが、たゆまぬ努力と訓練が何よりも重要であることを強調されました。現在でも教師に付いての定期的なチェックとトレーニングを欠かさないとのことです。また自宅で150%の力が出せていなければ、実際の舞台ではそれが80%くらいになってしまうため、聴衆を魅了する演技にはならない、という言葉には世界の一流歌劇場での経験場豊富な彼女ならではの説得力がありました。

 引き続いて行われた懇親会では、誰もが彼女と話をしたり、一緒に写真を撮ったりしたがるため、テオドッシュウさんはほとんど食べ物や飲み物を口にする時間がありませんでしたが、90分を超えるパーティーの間じゅう、終始にこやかに対応してくださり、感謝の念に堪えません。テオドッシュウさん、本当にありがとうございました。(橋都)