ヴェネツィアをマーケティングする(概要)

第376回例会

・日時:2011年10月25日(火)19:00-21:00

・場所:東京文化会館4階大会議室

・講師:栗林 芳彦(くりばやし よしひこ)

    名古屋文理大学情報文化学部教授、PR学科学科長 

・演題:ヴェネツィアをマーケティングする


 イタリア研究会第376回の例会が開かれました。演題名は「ヴェネツィアをマーケティングする」,講師は名古屋文理大学情報文化学部教授・PR学科学科長の栗林芳彦さんです。栗林さんはもともと広告業界におられた方で,マーケティングの専門家ですが,ヴェネツィアには50回以上行かれており,ヴェネツィア人よりもヴェネツィアに詳しい日本人です。栗林さんは,多くの日本人がそこを訪れながら,本当の意味でその魅力を味わうことなく,慌ただしく立ち去って行く現状を踏まえて,ヴェネツィアの魅力,弱点などのSWOT分析から,そのマーケティング戦略を語ってくれました。ヴェネツィアの魅力のすべては,その特徴的な街の構造と歴史とに根ざしています。もともと堅固な土地がない場所に建設された水上都市,1100年間一度も外国に侵略されず,内乱も経験していない堅固な政治制度,これらの要因がヴェネツィアの街,美術,音楽を形作りました。ヴェネツィアを楽しむためには,共通の目的を持ったグループがエキスパートとともに,ある程度の期間滞在して,その目的を集中して探求する事が,必要であり,それはいわばマニアの先導によって,新しい観光のスタイルを創造する事である,という栗林さんの言葉に共感した聴衆が多かったのではないでしょうか。さっそくヴェネツィアに出かけたくなった方もたくさんおられた事と思います.栗林さん,ありがとうございました。 (橋都)