ギリシャ、イタリア、フクシマ(概要)

第384回例会

・日時:2012年6月25日月曜日19:00-21:00

・場所:東京文化会館4階大会議室

・講師:藤原 章生 毎日新聞夕刊編集部

・演題:ギリシャ、イタリア、フクシマ


 第384のイタリア研究会例会が開かれました。講師は毎日新聞前ローマ支局長の藤原章生さん、演題名は「ギリシャ,イタリア,フクシマ」でした。藤原さんは今年の1月に亡くなったギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロスに昨年インタビューした時の「われわれは扉の前に立ちすくんでいる。そしてその扉を壊すのはイタリア人だろう」という内容の彼の予言めいた言葉を手がかりに、ギリシャ危機、イタリアの問題点、これからの世界が進む方向について話をされました。そしてこのアンゲロプロスの言葉に多くの人々が反応したのはなぜなのか、どのように反応したのか、とくにイタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンの「その扉が優しく開かれることはないだろう」との言葉を紹介してくれました。そしておそらく現在の経済システムがそのまま続くことは無く、その問題点に鋭く反応している地中海諸国、とくにイタリアの人々が先行して、世界の変革が起こる可能性があるが、一時的なカオスがもたらされる可能性があるとの彼自身の考えを語られました。藤原さん,たいへん刺激的なお話をありがとうございました。(橋都)