今のイタリアにおける日本文化 ~アニメからジャニーズまで(概要)

第391回例会

・日時:2013年1月18日(金)19:00-21:00

・場所:東京文化会館4階大会議室

・講師:Valeria Lazzaro ローマ大学東洋学部日本語学科卒

・演題:今のイタリアにおける日本文化 ~アニメからジャニーズまで


 イタリア研究会第391回例会が1月18日(金)上野・「東京文化会館」に於いて開催されました。厳寒にも拘わらず多くの会員が出席、質疑応答も活発で盛会でした。今回の講師は、ローマ大学東洋学部日本語学科を一昨年12月に卒業され、現在日本に留学中の弱冠25歳Valeria LAZZAROさん、演題は、「今のイタリアに於ける日本文化~アニメからジャニーズまで」。以前、イタリアでの日本文化と言えば空手、柔道、黒沢明の映画、三島由紀夫の小説などが主流であったが、1970年代半ば日本製アニメがTVに登場して以来、若者の間で日本のアニメ、漫画、ゲームなどの人気が拡大し、今やこれが一大ストリームとなっている。ルッカでのコミコン(年一回開催のアニメ、漫画、ゲーム関連イベント)は1986年にスタートしたが次第に参加者が増え、2012年には18万人に達した(これは世界第三位)。ここでは日本食、日本のアイドルやバンドのグッヅ、制服なども出品されアニメ・漫画のファンのみならず多くの日本文化の愛好家が参集する。今日ではルッカと同様なイベントが、ローマ、ミラノ、ナポリ、パレルモ、他で開催されており、夫々数多くの参加者を集めている。様々な日本グッヅの店も増えつつあるが、その一つ、ローマ・「ネコショップ」(講師の姉上ヴァレンティカートさんが共同店長の1人)と本会場をスカイプで繋ぎ、日本ファンとの接点現場の状況を視聴。同店の人気商品例として漫画(大きなコーナー)、アニメCD、コスプレ、嵐の写真付き弁当箱、折り紙セット、各種シール、制服、ヘアアート、各種ゲーム、日本語教科書、他多数。これに加えて、お店ではアニメコンサート、日本語教室、日本史教室、日本映画会、ゲーム大会、コスプレ大会などのイベントも開催し、日本文化の紹介に努めている。東日本大震災の時は募金活動も行った。来店者の大半は若者だが30代のお客も多いとのこと。中継後、映画、小説やミュージカルにも言及。特に堂本光一のミュージカル「エンドレスショック」は講師が大好きな作品で、日本語の出来ない人にもどうしてもこの作品を見せたいと思い、講師自らイタリア語字幕を作成した(会場で本作品の一部を鑑賞した)。ローマのお店との「現場中継」を交えての、イタリアでの日本文化浸透の現状報告は正に興味津々聴衆の耳目を惹きつけて止まず、あっと言う間の100分でした。Valeriaさん、お忙しい中貴重なご講演どうもありがとうございました。 (猪瀬)