デザインと対話による日本とイタリアの新たな関係づくり(概要)

第395回例会

・日時:2013年5月24日(金)19:00-21:00

・場所:東京文化会館4階大会議室

・講師:桐山 登士樹 株式会社TRUNK代表 デザインディレクター

・演題:デザインと対話による日本とイタリアの新たな関係づくり


 イタリア研究会第395回例会が開かれました.テーマは久しぶりにデザインで,演題名は「デザインと対話による日本とイタリアの新たな関係づくり」,講師はデザインディレクターで株式会社TRUNK代表の桐山登士樹さんです。桐山さんはデザイン系の雑誌の編集の仕事をしていた時に,イタリアデザインと出会い,イタリアのデザイナーを使ったデザインプロジェクトを作り出すとともに,イタリアデザインの展覧会を多数プロデュースして,イタリアデザインのすばらしさを日本に紹介する事に力を尽くしました.そして2004年以降は,ご自分でデザインをプロデュースするに至り,56年の歴史を持つ総合デザイン展「ミラノ・サローネ」で,トヨタLEXUSやキャノンのデザインを担当しました。現在,イタリアのデザインは,国の経済の停滞の影響を受けて,一時よりも地盤が低下している事は否定できないという事です.そのために,イタリア人デザイナーたちも,イタリア以外のヨーロッパ諸国で仕事をするようになってきています.しかしやはりイタリアデザイン界には底力があり,今後はBRICSなど新興諸国からの資本も受け入れて,再生して行くだろうという事です.そのきっかけになると期待されているのが,2015年にミラノで行われる万博で,桐山さんはここで日本館の総合プロデューサーを務められるという事ですので,楽しみです.講演終了後は,「なぜイタリアのブランドは付加価値の高い製品を生み出す事ができるのか」「イタリアデザイン界の停滞の原因は,イタリア経済だけなのか」など多くの質問が出て,活発な議論が行われました.桐山さん,面白いお話をありがとうございました。 (橋都)