ヴェネツィアのカーニバルと演劇(概要)

第397回例会

・日時:2013年7月25日(木)19:00-21:00

・場所:東京文化会館4階大会議室

・講師:鈴木 国男 共立女子大

・演題:ヴェネツィアのカーニバルと演劇


 7月25日,イタリア研究会第397回例会が開かれました。演題名は「ヴェネツィアのカーニバルと演劇」,講師は演劇史,演劇論がご専門の共立女子大学教授鈴木国男先生でした。鈴木先生は,ギリシャからイタリアバロックまでのヨーロッパの劇場と演劇の変遷を90分にまとめて話すという離れ業を演じられましたが,これがじつに面白い内容でした。現在のヨーロッパのオペラ劇場がなぜあのような形になったのか,そこには劇場の歴史と演目の内容の変化が深く関わっています。そして演劇文化の中心であったイタリア,中でも18世紀の滅亡寸前のヴェネツィア共和国にヨーロッパ中から享楽を求めて,多くの人々が集まり,仮面で自らのアイデンティティを隠しながら,カーニバルと演劇とを楽しんだわけです。こうしたお話の中に「オペラはギリシャ悲劇の誤解から生まれた」「ゴルドーニは18世紀の三谷幸喜である」といった警句がちりばめられ,大変に刺激的で面白い講演でした.鈴木先生ありがとうございました。(橋都)