料理とワインを通してみるイタリアの豊かな多様性(概要)

第398回例会

・日時:2013年8月5日(月)19:00-21:00

・場所:南青山開館2階大会議室

・講師:宮嶋 勲 ワインジャーナリスト

・演題:料理とワインを通してみるイタリアの豊かな多様性


 イタリア研究会第398回の例会が行われました。演題は「料理とワインを通して見るイタリアの豊かな多様性」で,講師はワインジャーナリストの宮嶋勲さんです。宮嶋さんはイタリアの文化,料理,ワインの多様性の源泉が,まずは南北に長く,しかも中央に山脈が走っているという地理的な特長と,19世紀まで政治的に統一されずに,各地が異なった支配者,政治体制の元にあったという歴史的な特長とにあることを示されました.これがワインにおいても,フランスワインに特徴的な,ピラミッド型ヒエラルキーに従わない,地方独特の品種と製造法による,多様なワインを生み出していることを,明らかにしてくれました。そしてワインの醸造で最も重要とされるテロワールとは,土壌と気候だけではなく,作り手の心も含めた概念であること,イタリアにおいても各州の県民性(州民性?)がそれぞれ特徴的なワインを生み出す元になっていることを,軽妙な話術で語られ,会場は笑いに包まれました.最後に述べられた「ワインは舌だけで味わう物ではなく,頭でも味わう物です」という言葉は,皆さんの心に響いたのではないでしょうか。じつはこの日,前もってお知らせはしませんでしたが,3種類のイタリアワインの試飲が講演中に行われ,講演終了後には,このワインの購入も可能でしたので,多くの方が購入されたようです.宮嶋さん,ワインを提供して下さったフード・ライナーさん,ありがとうございました。 (橋都)