イタリアのDOPの歴史と仕組み,その実際(概要)

404回例会

・日時:2014年2月7日(金)19:00-21:00

・場所:東京文化会館4階大会議室

・講師:粉川 妙(イタリアの食・スローフード研究家,ライター)

・演題:イタリアのDOPの歴史と仕組み,その実際

 

 2月7日(金)にイタリア研究会第404回例会が開かれました。今回のテーマはDOP(畜産,農業の産物と加工品の原産地呼称制度)で,講師はスポレートに在住のイタリアの食研究家・粉川妙さんでした。DOPという言葉をご存じない方でも,チーズのパルミジャーノ・レッジャーノやパルマの生ハムといった代表的な例を挙げれば,なるほどと分かると思います。特定の産地で伝統的な作り方を守って制作されている食品を守るための制度です。これにより生産者も消費者も守られ,伝統的な製法が保存されることになるのです。現在ではEUによって規定されていますが,イタリアはフランスをしのいで最大の品目数を持っています。粉川さんは,このDOPの歴史や機構とともに,それが実際にどのような人たちによって作られ,守られているかを,Balze Volterrane のペコリーノ・チーズ,Colonnta のラルド,Monteleone di Spoleto のスペルト小麦といった,ご自分が実際に現地を訪れて見聞したDOPの例を挙げてお話しをしてくださいました。これらの地域での,官と民とが共同して,特産品を守り育てようという姿勢は,日本の農業の今後に対しても大きな示唆を与える様に思われました。粉川さん,面白く美味しそうなお話しをありがとうございました。 (橋都)