EXPOとイタリア(概要)

第409回例会

・日時:2014年7月25日(金)19:00-21:00

・場所:南青山会館2F大会議室

・講師:彦坂 裕 ミラノ万博日本館企画委員長 

・演題:EXPOとイタリア

 

 イタリア研究会第409回例会のテーマは「EXPOとイタリア」,講師は建築家でミラノ万博日本館の企画検討委員会の座長を務めておられる彦坂裕さんです。彦坂さんは,2005年の愛・地球博でも,2010年の上海万博でも,日本館で中心的な役割を果たされた経験をお持ちです.彦坂さんは,万博というものが,現在では近代オリンピック,FIFAワールドカップ,F1と並ぶ国際的なイベントシステムとなっていること,その中でも参加の意思さえあれば,どこの国でも,どの企業でも参加が可能という点で,特異な位置を占めていることを示されました。そしてかつては先進的な技術やものを展示するのが,第一の目的であった万博が,インターネットで誰でもが世界の情報を得られるようになった現在では,参加者が地球の共通の問題点を共に考えるというメディアに変化してきていることを示されました。2015年のミラノ万博は,「食」が取り上げられる最初の万博ですが,食といっても美食だけではなく,食物の廃棄や食物の流通,さらには気候変動による食糧不足や飢餓といった食の負の部分も取り上げられるはずということです.彦坂さんの見るところでは,日本館のライバルはドイツ館,サウジアラビア館だそうです。どんな万博になるか,大いに期待されます。彦坂さん,ありがとうございました。 (橋都)