「自由主義イタリア」 l’Italia liberaleについて(概要)

第415回例会

・日時:2015年1月28日(水)19:00-21:00

・場所:東京文化会館4F大会議室

・講師:馬場 康雄(東京大学名誉教授  NPO法人「川崎市民アカデミー」副会長)

・演題:「自由主義イタリア」 l’Italia liberaleについて

 

イタリア研究会第415回例会が行われました。今回の演題は「自由主義イタリア(l’Italia Liberale)について」、講師は東京大学名誉教授でNPO法人「川崎市民アカデミー」副会長の馬場康雄氏です。
自由主義イタリアとは、一般的にリソルジメントとファシズムとにはさまれた時代を指しますが、リソルジメントが第1次世界大戦まで続いたという考えもありますので、おおよそ1860年代から1922年までの期間と考えれば良いでしょう.馬場さんは、学生時代の篠原一教授のヨーロッパ政治史の講義からヨーロッパ政治史とくにイタリア政治史に興味を持ちました。そしてイタリアに留学してイタリアにおける政治史研究の偏りに気付き、自分なりの視点を見つけることに留意しつつイタリア政治史とくに特異な政治家ジョリッティの研究を続けてきました。
馬場さんが強調されたのは、イタリアの政治を考えるのにイタリアの特異性にだけ注目するのではなく、ヨーロッパ全体の中での位置づけに注意を支払うべきこと、政治史とくに日本に輸入される政治史はときに過剰に“党派的”であるので、それに囚われすぎないこと、という点でした。これは日本の政治を考える上でも、非常に重要な点ではないかと考えられます。馬場先生、貴重な講義をありがとうございました。(橋都)