イタリアの飲食事情(概要)

9月例会(423回)

・日時:2015年9月29日(火)19:00-21:00

・場所:東京文化会館4F大会議室

・講師:坂田肇氏(イタリアワイン研究家・スローフード協会会員)

・演題:イタリアの飲食事情

イタリア研究会第423回例会が開かれました。演題名は「イタリアの飲食事情」、講師はオフィス坂田代表で、横浜でイタリアン・ワインバー「狸の洞窟」とスタジオ「カンティナ」を運営し、各地でイタリアワインのセミナー講師を務めている坂田肇さんです。坂田さんは「スローフード」のもっとも古い日本人会員のお一人でもあります。
坂田さんは1980年代から、レンタカーでイタリア全土を駆け回り、300箇所以上のワイナリーを訪問したという経験から、イタリアの食事情、ワイン事情を語ってくれました。イタリアではこれまで各家庭のマンマの料理が最高で、それが母から娘へと伝わって行くという伝統があったのですが、共稼ぎが増えた、娘が早くに家庭を離れるようになった、昼食に割くことのできる時間が短くなった、といった理由からファストフードが増え、子どもたちの味覚異常が増加してきているということです。それに対する危機感から始まったのが「スローフード」運動で、現在イタリアの飲食事情に大きな影響を与えています。
坂田さんの豊富な経験に基づく、ごく最近にも知り合いのワイナリーで、これまで知られていなかった葡萄の品種が発見された話、世界バリスタコンテストにおける日本チームの活躍の話などは、多くの聴衆に印象を与えたことでしょう。坂田さんありがとうございました。(橋都)