“ジョットの遺産”展にちなんで(概要)

第341回例会(2008年9月21日)

演題:“ジョットの遺産”展にちなんで

講師:小佐野 重利


 損保ジャパン東郷青児美術館で行われている展覧会の企画者のおひとりである小佐野先生にご講演をお願いしまし。先生は「台風で講演会が中止になるのを期待していたのですが」とおっしゃりながらも,そのお話は次第に熱をおび,2時間を超える講演となりました。内容は今回出品されているジョットの作品解説はもとより,日本におけるジョット受容の歴史,ジョットの絵画における革新性,スクロヴェーニ礼拝堂の構造とジョットの壁画の有機的関連にまで及びました。さらに絵画の制作年代決定のために,他の絵画はもとより文字資料,写本などの資料をいかに利用するかといった専門的な点にも触れられ,われわれ素人も美術史研究の面白さの一端を知ることができました。出席者からは「内容が専門的だったけれど面白かった」との声が上がっていました。小佐野先生どうもありがとうございました。(橋都)