究極の宴,バンケットへようこそ:ルネッサンスイタリア宮廷の饗宴(概要)

第348回例会(2009年5月16日)

演題:究極の宴,バンケットへようこそ:ルネッサンスイタリア宮廷の饗宴

講師:弥勒 忠史

会場:南青山会館


 5月16日に行われたイタリア研究会第348回の例会は,カウンターテナー歌手弥勒忠史さんによる「究極の宴,バンケットへようこそ:ルネッサンスイタリア宮廷の饗宴」という講演でした。弥勒さんはまずご自身が歌われた「愛しアマリリ」のCDをかけ,カウンターテナーの声の美しさで聴衆の度肝を抜いてから講演を始めました.まずなぜ声楽家である自分がルネッサンス宮廷のバンケットなどというものの研究を始めたか,そしてイタリア留学中に「Saint Stomach(聖胃袋)」とあだ名を付けられたというグルマンぶりを彷彿とさせる,当時のバンケットで供された料理の数々の話,そしてバンケットの重要な出し物である音楽の話へと進みました。最後にはわれわれがイタリア貴族のバンケットに招待されても恥をかかないようにと,当時の舞踏の一つであるパヴァーヌのステップを実習して講演は終わりました。参加されたみなさまは,当時のバンケットが単なる宴会ではなく,一大パーフォーマンスであったことに感銘を受けるとともに,バンケットで供された料理の豪華さと量とに驚嘆して,現代イタリア料理の源を再認識されたのではないかと思います。(橋都)