銅版画家としてのピラネージ(概要)

第351回例会(2009年8月31日月)

演題:銅版画家としてのピラネージ

講師:佐川 美智子氏 (町田市立国際版画美術館学芸員)

会場:東京文化会館4F大会議室


 8日31日第351回のイタリア研究会例会が開かれました。折からの台風接近の中,参加を取りやめた方もおられたようですが,熱心な参加者が集まりました。講師は町田市立国際版画美術館学芸員の佐川美智子さん,テーマは「銅版画家としてのピラネージ」です。佐川さんは版画とは何か,銅版画の種類,といった基本から話をされた上で,エッチング画家としてのピラネージの魅力について語られました。同じローマの風景であっても,凡庸な画家による同じ場所の風景がピラネージの手にかかるとまったく違った魅力あるものに変貌することを実際の銅版画を使って示してくれました。こうしてピラネージの銅版画は,美術界だけではなく,文学の世界においても多くの影響を与え続け,またピラネージの死後にもプリントされ続けることにもなったのです。今回のお話で銅版画に興味をもたれた方も多かったのではないでしょうか。現在,町田市立銅版画美術館では「版画がつくる驚異の部屋へようこそ!展」が開かれています。ぜひお出かけ下さい。(橋都)