ローマ水道が世界帝国を作った。そして江戸は?(概要)

第359回例会

・日時:2010年4月23日(金)19:00-21:00

・演題:水道が語る古代ローマ繁栄史<ローマ水道が世界帝国を作った。そして江戸は?>

・講師:中川 良隆 東洋大学理工学部教授

・会場:南青山会館2階会議室


 ローマには立派な水道があったことはどなたもご存じでしょうが、それがどのようにして作られ、運営されていたかについてはほとんどの方はご存じないのではないでしょうか。中川さんはローマ水道の技術的な側面から、その管理に当たった人間の人間性まで含めて、くわしく語って下さいました。そしてその建設、管理の根本に、上水道としては表層水ではなく湧水を使うべきであるという信念、そして娯楽をも含めた市民の生活環境を整えることによって、帝国の繁栄がもたらされるという信念があった事を示されました。そしてそれが属州の植民都市にまでもたらされた事によって、広大な帝国を長期間維持することが可能になったと述べられ、現代日本にもその理念を敷衍することができることを示されて、聴衆に感動を与えました。

 講演後には技術的問題から、実際の問題に至るまで質問が続出し、イタ研らしい賑やかな会となりました。中川さんありがとうございました。(橋都)